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研究内容
【研究テーマ】
¹³C代謝フラックス解析法を用いた大腸がんの細胞株間比較
【研究の背景と目的】
がんは現代のヒトの主要な死因の1つである。がん細胞は正常な細胞とは異なる特異的な代謝をしており、これにより活発に増殖するための核酸、タンパク質、脂質などの生体高分子を大量に得ることができると考えられている。特に大腸がんは大腸が消化管の一部であることから、直接ではないものの外部と触れ合っているといえるため、外部ストレスへの応答などのその他のがんとは異なる代謝を持っていることが予測される。このようながんに特異的な代謝経路やがんの維持に必須な代謝酵素を明らかにすることは新たな創薬ターゲットの発見につながるが、そのためにはがん細胞の代謝を正確に定量する必要がある。
細胞内代謝状態の解析法の1つに¹³C代謝フラックス解析法がある。この方法では細胞内代謝反応の向きや分岐比、反応速度といった代謝の直接的なデータを得ることができ、がん細胞株間において比較することで特異的に活性化・抑制されている反応の発見が期待できる。そこで本研究では¹³C代謝フラックス解析法を用いて様々なヒト大腸がん由来の細胞株の中心代謝フラックスについて解析し、大腸がんの細胞株間の代謝の比較や、他のがん細胞由来の細胞株との比較を行うことを目的とする。大腸がんの代謝の特徴を明らかにし、基礎的な知見を積み上げることで、創薬における有益な情報を得ることを目指す。
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